藤丸美音は尻の痛みを感じながら、涙で目が潤んでいた。
しかし次の瞬間、彼女は温かい抱擁に包まれた。その抱擁は心地よく、かすかな香りがして、藤丸美音はその時、痛みを感じることもなく、ただ呆然としていた。
藤丸詩織は美音を抱きかかえてソファーまで運び、優しく尋ねた。「美音、どこか怪我してない?」
藤丸美音は呆然と首を振り、小さな声で答えた。「大、大丈夫です。」
藤丸詩織は静かに言った。「ごめんなさい。私が先に水を注ぐのを止めるべきだったわ。」
藤丸詩織は先ほどまで、美音が毒薬を持ってきた件についてどう対応すべきか考えていて、一時的に美音がまだ子供で、水を注ぐのが危険だということを忘れていた。
藤丸美音は詩織を見つめ、小声で言った。「私が悪いんです。私が水を注ごうとしたんです。詩織お姉さま、少し休めば大丈夫です。」