314 全く影響を受けない

藤丸詩織は展望台から事務所に戻ると、榊蒼真に笑顔で尋ねた。「海外のイベントは終わったの?」

榊蒼真は目を輝かせながら藤丸詩織を見つめ、素直に頷いて答えた。「はい、終わりました」

榊蒼真は先ほどの展望台での出来事を思い出し、心配そうに尋ねた。「姉さん、あの…」

藤丸詩織は榊蒼真の言葉が終わる前に、その意図を理解して笑いながら言った。「大丈夫よ、私は影響を受けていないわ。後で処理してもらえばいいだけだから」

榊蒼真は安心したが、次の瞬間に電話を受けた。

藤丸詩織は榊蒼真が電話を切った時の表情があまり良くないのを見て、不思議そうに尋ねた。「どうしたの?」

榊蒼真は唇を噛んで、口を開いた。「姉さん、さっきの出来事がネットに投稿されました」

藤丸詩織はトレンド検索を開き、タイトルを見て眉を上げ、クリックすると動画が表示された。