周防司は「従弟がどうしても遊園地に連れて行ってほしいと言うから、みんなの良いお兄さんとして、すぐに連れてきたんだ!そういえば、君はどうして遊園地に来たの?」と言った。
藤丸詩織は藤丸美音を見ながら静かに答えた。「従妹を連れてきたの」
周防司は興奮して「なんて偶然なんだ!僕も遊園地のことはよく知らないから、一緒に遊ばない?」
藤丸詩織は無関心で、藤丸美音に尋ねると、彼女も気にしていなかったので同意したが、ただ……
藤丸詩織は周防司に尋ねた。「従弟は?」
周防司は一瞬固まり、しばらく探した後、メリーゴーラウンドの上で死んだような顔をしている周防楽を見つけた。
周防司が離れた時、メリーゴーラウンドがちょうど動き出そうとしていて、周防楽は人の流れに乗って乗ってしまい、チケットが2枚あったため、2回も乗ることになってしまった。
周防楽:……
周防楽はもう周防司に構いたくなかったが、先ほどの推測を確かめるため、仕方なく多くのアトラクションに付き合った。
ただ、藤丸詩織をじっと見つめる周防司を見ていると、我慢できなくなり、角に引っ張って尋ねた。「お兄ちゃん、詩織お姉さんのことが好きなの?」
周防司は答えず、数秒後に誤魔化すように「お前みたいなガキに何がわかるんだ?」と言った。
周防楽は不機嫌そうに舌打ちをして、「僕はよくわかってるよ。それにお姉さんのことが好きなら、告白すればいいじゃない?」
周防司は答えずに藤丸詩織の方へ歩き出したが、近づくにつれて何か様子がおかしいことに気づいた。
周防司は眉をひそめて尋ねた。「桜井蓮、どうしてここに?」
子供を連れてきたという理由で遊園地にいる自分と藤丸詩織とは違い、桜井蓮はこういった子供っぽいものを好まない人なのに、なぜ遊園地に?
桜井蓮は冷たく答えた。「たまたま通りかかっただけだ」
藤丸詩織は桜井蓮を一瞥し、それから周防司の方を向いた。
周防司は藤丸詩織の視線に気づいた瞬間、自分がSNSに投稿したことを思い出した。急いでスマートフォンを取り出して確認すると、特に桜井蓮が「いいね」をしていたのを見て、心虚になった。
なるほど、自分が漏らしてしまったのか。
桜井蓮は元々会社で仕事をしていたが、相良健司が時々彼を見る同情的な視線を感じていた。
桜井蓮は相良健司に冷たく尋ねた。「何かあったのか?」