380 藤丸詩織に濡れ衣を着せる

桜井蓮は顔色を曇らせ、水野月奈を見る目に冷たさが閃いた。心の中の不快感を抑えながら「大丈夫だ」と言った。

水野月奈は桜井蓮に優しさを感じてもらいたい一心で、なおも「蓮お兄さん、私、機会があったら必ず藤丸詩織に仕返しして、あなたの正義を取り戻してあげます!」と言った。

水野月奈は桜井蓮の手を握り、優しく「蓮お兄さん、これからの数日間、私がしっかりお世話させていただきます」と言った。

相良健司は入り口で水野月奈の言葉を聞いて、軽蔑するように目を回した。

実は先ほど藤丸詩織に言った話は、完全な嘘ではなく、少し誇張しただけだった。桜井蓮は病院に運ばれてから最初の二日間は体調が非常に悪く、ほとんど昏睡状態で過ごしていた。

水野月奈は常に彼から桜井蓮の情報を探り、桜井蓮の回復を確認してから初めて見舞いに来た。