384 バラエティ番組の出演者を決定

真壁誠は顔を赤らめ、目を伏せながら説明を始めた。「4人を選びました。こちらが彼らの写真です。ご覧ください」

藤丸詩織は写真に目を向けた。

真壁誠が説明を続けた。「この4人は江原陸、森村羽矢斗、楽来庵、榊墨といいます。デビュー後、それぞれ異なるタイプで活動しており、バラエティ番組に出演させることで、視聴者に多様性を感じてもらえると思います」

藤丸詩織は頷き、褒めた。「よく考えられていますね。彼らのスタイルも非常に明確で、一目で分かりますね」

森村羽矢斗は優しい目をしていて、まるで隣のお兄さんのような親しみやすさがあった。

江原陸は端正な顔立ちながら、表情は冷淡で、どこか涼しげな雰囲気を漂わせていた。

楽来庵は幼い顔立ちで、丸い頬をしており、バスケットボールを持った姿は元気いっぱいだった。

榊墨はスーツを着て、金縁の眼鏡をかけており、とても紳士的に見えた。

藤丸詩織は思わず再び微笑み、真壁誠を再度褒めた。「人を見る目がとてもいいわね。スカウトマンとしても通用するわ」

真壁誠は照れくさそうに頭を掻き、小声で言った。「もし我が社が今後エンターテインメント事業に力を入れるなら、スカウトマンとしてもお手伝いできます」

藤丸詩織が満足している様子を見て、真壁誠は4人が所属する芸能事務所を確認しようとしたが、資料を見た途端、一瞬固まってしまった。

藤丸詩織は真壁誠の様子を見て、不思議そうに尋ねた。「どうしたの?」

真壁誠は資料を藤丸詩織の前に置き、困ったように口を開いた。「楽来庵と榊墨の二人は桜井グループ所属なんです。私は…」

藤丸詩織と桜井蓮の間で起きた出来事について、真壁誠もおおよそ知っていた。まさか今回選んだ練習生の中に桜井グループ所属が、それも二人もいるとは。

もっと早く所属事務所もチェックしておけば、桜井グループの練習生を除外できたのに。

藤丸詩織は冷ややかな目で桜井グループの文字を2秒ほど見つめた後、視線を外し、淡々とした声で言った。「私と桜井蓮の件は、夢を追う練習生たちに影響を及ぼす必要はないわ。既に選んだのだから、連絡を取ってください」

真壁誠には、藤丸詩織が光を放っているように見え、特に目を引いた。

藤丸詩織は真壁誠がぼんやりと自分を見ているのに気づき、不思議そうに尋ねた。「どうしたの?何か言いたいことがある?」