400 あなたは誰

水野月奈は続けて話し始めた。「さっき入り口で、藤丸さんの人が何かの監視カメラを解読したって聞いたわ。きっと藤丸詩織のことでしょうね。彼女って本当にすごいわ。そういえば、さっき榊蒼真が彼女を迎えに来てたわ。彼らは…」

桜井蓮は目を震わせ、視線を落として冷たく言った。「用がないなら帰れ」

水野月奈は表情を硬くし、心の中の不快感を抑えながら優しく言った。「蓮お兄さん、私も一緒に仕事するわ」

桜井蓮は冷たく断った。「必要ない。今は仕事しない。病院に雨音を見舞いに行く」

水野月奈は急いで言った。「じゃあ、私も一緒に行くわ」

桜井蓮は即座に断った。「必要ない」

水野月奈は桜井蓮が足早に去っていく後ろ姿を見つめ、徐々に表情が険しくなった。

彼女は密かに歯を食いしばり、桜井蓮が藤丸詩織に会った後はいつも自分に冷たくなる様子を思い出し、怒りで体が震えた。