023 残飯

夏川澄花は慌てて携帯を取り出し、蘇我紬に連絡を取ろうとした。

蘇我紬からのメッセージが目に飛び込んできた。

【澄花、私が支払っておいたわ。先に帰るね、ごめんなさい。】

夏川澄花の怒りはみるみる上昇していった!!!

彼女は怒りで顔が歪むほどだった!

激怒しながらトイレを出て、テーブルに戻って鞄を掴むと外に出た!まさか、このレストランには裏口があることを忘れていたなんて!!

彼女は電話をかけながら、周りを見回して蘇我紬の姿を探した!

影山瑛志はその状況に気付き、眉間にしわを寄せ、白川蓮の話など全く聞いていなかった。

白川蓮はそれを見て、すぐに表情を曇らせた。「瑛志さん、私の話を聞いていますか?何を考えているんですか?」

影山瑛志は全く反応しなかった!

白川蓮は我慢できずに彼の前で手を振り、怒りと恥ずかしさで声を荒げた。「瑛志さん!さっきどうしてあの女の言葉に反論しなかったんですか!あんな失礼な言い方をされたのに、なぜ黙っていたんですか!?」

これは全く影山瑛志らしくない態度だった!

白川蓮の声は怒りで思わず数デシベル上がり、周りの人々が顔を上げて見つめ始めた。

影山瑛志は突然我に返り、冷たい目つきで周りを見回し、最後に白川蓮の顔に視線を固定させた。怒りを抑えながら、いらだたしげに言った。「今日の君は本当にうるさいな。」

そう言うと立ち上がり、容赦なく席を離れた。

白川蓮は慌てて彼を見つめ、引き止めようとしたが、影山瑛志は三歩を二歩で進み、速いペースで夏川澄花が出て行った扉から姿を消した。

その場に取り残された白川蓮は、自分の車椅子を見つめ、口を開きかけたところで、涙がぱっと流れ出した。

二人きりの時間を過ごすために、わざわざ林秀を外で待たせていたのに、今から林秀に連絡して迎えに来てもらっても、もう遅い!

影山瑛志はもうどこかへ行ってしまったに違いない。

追いつけない!

彼女が必死に築き上げた安心感の壁が、一瞬にして崩れ去った。

彼女は顔を覆い、恥ずかしさと怒りを感じていた。特に周りからの視線が、彼女の面目を完全に失わせた!

屈辱的極まりない!

これは全て蘇我紬のせいだ!

本来なら何もする必要がなかったのに...

しかし今となっては、そうではないようだ。