「遅くとも明後日までに、国内に連れて行って、警察署に引き渡さなければならない」
早乙女燐はそれを聞いて頷き、向こうの人たちのことを心配した。本当にタイトなスケジュールだ。
「影山若様、もう一つ報告があります。相手は捕まえられませんでしたが、決定的な証拠を提供してくれると言っています。ただし、その代わりに我々は彼らの追跡を中止しなければなりません」
向こうの人たちは、合法的な手段だけでなく、あらゆる手段を使って人を捕まえる。命がけの逃亡者でも、命のためなら妥協するものだ。
まして女一人のことだ。
彼女のちょっとした恩義など、自分の命に比べれば取るに足らない。
これを聞いて、影山瑛志は頷いた。「承知した。証拠は明日までに見せてもらう」
「明日は厳しいかもしれません。相手は逃げてしまい、捕まえられませんでした」