222 愛とは言えない

久世澪は感慨深げに言った。「私たち、本当に好みが似てるわね。私の大好きな二品とも注文してくれたわ」

蘇我紬は微笑んだ。

久世澪の好みについて、蘇我紬はよく知っていた。

久世澪の大好きな料理を二品注文し、さらに自分の好きな料理も数品追加した。

全部で四品の料理と、スープ一品。

二人で食べるには少し多すぎるかもしれない。

「紬ちゃん、その後、影山さんと再婚の話とかあったの?」

蘇我紬はその言葉に一瞬動きを止め、呼吸を整えてから淡々と答えた。「それはまだ話してないわ。でも、離婚したばかりだから、少し時間を置いた方がいいと思うの」

「うん、そうね。そうしないと少し不自然かもしれないわね」

久世澪も同意した。

料理を待っている間、隣のテーブルの子供が突然泣き出し、騒がしくなった。大人たちも慌てふためき、他のお客様に迷惑をかけていることを心配して、近くのテーブルに謝りに行った。