受付の人は怖くないかもしれないが、白川蓮は違う。
もう帰ろうとしていた白川蓮は、この言葉を聞いた途端、一歩も動けなくなった。
影山瑛志との関係がどれほど冷え切っていようと、彼の心に蘇我紬という女がいようと、今のところ、外から見れば影山瑛志の女は白川蓮なのだ!
こんな事態に黙っているわけにはいかない!
「夏川澄花!忠告しておくけど、もう少し私に敬意を払った方がいいわよ。ここは影山氏よ、あなたのお嬢様気分を発揮する場所じゃないわ!」
白川蓮の声は冷たく、威圧的だった。
普段は華奢な体つきをしているが、怒り出すと人を怖がらせるほどの迫力がある。
しかし、夏川澄花はその例外だった。
まさに情けは人のためならず。この波及効果で、夏川澄花は影山瑛志への恨みを目の前のこの下賤な女に全て向けることに何の躊躇もなかった!