250 お嬢様のために出てきなさい

「私との結婚の件はいつ決めるの?」

白川蓮は他のことは気にせず、これくらいは言っていいだろうと思った。

結局、彼女が騒ぎ立て、蘇我紬に解毒剤を渡さなければ、この男は必ず折れるはずだ。

さもなければ蘇我紬という女を諦めて、共倒れになるだけ!

白川蓮は心の中でそう考え、その眼差しにもそれが表れていた。気勢は一気に上がり、先ほどまでの慎重な態度は消え去っていた。

影山瑛志を脅すのは問題ない、彼を陥れることは大事にも小事にもなり得る。

蘇我紬に関することなら、白川蓮は何でも持ち出して話せるのだ!

「覚えておけ、白川蓮。私は常に蘇我紬の一挙手一投足を見張らせている。もし彼女に手を出したら、それがお前の死期だ」

影山瑛志は平然とそう言い、鋭い眼差しで白川蓮の一挙一動を見つめた。