蘇我紬は薬指のダイヤモンドの指輪を見つめていた。大粒のダイヤモンドが様々な色の光の下で輝き、とても綺麗だった。
影山瑛志は立ち上がり、蘇我紬を抱きしめた。「紬、必ずもう一度盛大な結婚式を挙げよう。これまでは色々と上手くいかなかったかもしれないが、これからは毎日君を幸せにする」
様々な光が二人の上に降り注ぎ、優しく包み込んでいた。
蘇我紬は影山瑛志の体温を感じ、彼の心臓の鼓動を鮮明に聞くことができた。影山瑛志の約束が耳元で響き、感動で涙が止まらなかった。
影山瑛志は蘇我紬を放し、そして顔を近づけてキスをした。
この瞬間のキスは優しく甘美で、しかし所有欲も感じられた。
群衆から熱烈な拍手が沸き起こり、歓声と祝福の声が混ざり合った。
「末永くお幸せに!お子様に恵まれますように!」
「幸せいっぱいになってください!」
……
蘇我紬はもう外の音が聞こえなくなっていた。ただ影山瑛志とのキスに没頭していた。
二人の背後で華やかな花火が打ち上がり、盛大な花火が二人を照らし、まるで祝福しているかのようだった。
蘇我紬の目尻から涙が流れ落ちた。
この時、この瞬間、蘇我紬は影山瑛志が傍にいることが、全てを持つよりも幸せだと感じた。
「紬、ありがとう。まだ僕を愛してくれてありがとう」
蘇我紬の顔が赤くなり、息が苦しくなってきた時、影山瑛志はようやく彼女を放した。
蘇我紬は呼吸ができるようになり、大きく息を吸った。鼻先に花の香りが押し寄せてきた。おそらく妊娠のせいで、突然吐き気を感じた。
影山瑛志は状況に気付き、急いでバラの花束を脇に置き、早乙女燐に取るように合図した。
影山瑛志は蘇我紬を心配し、急いでその場から連れ出した。
新鮮な空気を吸うと、蘇我紬は少し楽になった。
先ほど蘇我紬に花を渡した子供たちが寄ってきて、二人の周りを回りながら「お姫様と王子様がご一緒になったね!」と言った。
蘇我紬はこの子供たちを見て、甘い笑顔を浮かべた。
「瑛志、私たちの子供も彼らのように活発で可愛いかしら?」
影山瑛志は片手で彼女の肩を抱き、もう片方の手を蘇我紬のお腹に当てた。「母親がこんなに美しいんだから、きっと彼らよりもっと可愛いはずだよ」
蘇我紬は目を細めて笑った。「私もそう思う。こんなにかっこいいお父さんがいるんだもの!」