339 自業自得

林与一のせいだった。

当時、林適人は林与一を林氏の後継者として育て、自分の技術を継承させようとしていたが、篠原澄佳は林与一を海外に留学させ、法律を学ばせることで、自分の夢を叶えさせたかった。

二人はこのことで大喧嘩をした。

この喧嘩の後、林適人は二度と家に帰らず、ずっと外で暮らしていた。二人とも頑固で、誰も折れようとしなかったため、現在のような状況になってしまった。

結局、林与一は林適人と篠原澄佳のどちらの言うことも聞かず、自分の好きな医学の道を選んだ。

篠原澄佳は痛いところを突かれ、怒りに満ちた目で久世澪を睨みつけ、手を上げて打とうとしたが、すぐにそばの警備員に手首を掴まれた。

「久世澪!私はあなたを歓迎していません。あなたが私の門を壊して入ってきたのよ。それはそれとして、私が主でお前が客なのに、主人に手を上げようとするなんて?私が裁判所であなたを不法侵入で訴えても構わないのよ!」篠原澄佳は久世澪に向かって怒鳴った。