345 双子

夏川澄花が認めないのを見て、蘇我紬と新條結月は目を合わせ、お互いの目から諦めの色を読み取った。

二人はもうこの話題には触れず、夏川澄花の面子を立てながら、片付けをしながら他の話をし始めた。

話しているうちに、蘇我紬は軽いめまいを感じた。朝、急いで出かけたため朝食を取らなかったせいだと思い、頭を振って気分を落ち着かせようとした。

新條結月と夏川澄花は蘇我紬の異変に気付かなかった。

三人は笑い合いながら続けていた。

しかし、クリーム型を片付けているとき、蘇我紬はクリームの匂いを嗅ぎ、突然吐き気を催し、すぐにトイレに駆け込んで吐いた。

夏川澄花と新條結月は手にしていたものを置き、急いでトイレに蘇我紬を見に行った。

「紬、大丈夫?」夏川澄花は心配そうに尋ねた。

蘇我紬は手を振って、「大丈夫よ、たぶんクリームの匂いが少し気持ち悪くなっただけ」と答えた。