蘇我紬は翌朝まで眠り続けた。
目が覚めた時、影山瑛志は既に病院を去っていたが、早乙女燐を残していった。
「若奥様、影山若様は会社に行かれました。私に病院からお家までお送りするようにと仰せつかっております。」
「わかりました。」
蘇我紬は簡単に身支度を整え、医師から大丈夫だと確認された後、荷物をまとめて退院した。
早乙女燐は自ら荷物を持ってトランクへ運んだ。
蘇我紬は退院したので、夏川澄花と新條結月に無事を知らせなければと思った。
車に乗る前にバッグの中で携帯を探したが、見つからなかった。「早乙女さん、携帯が病室に置き忘れたかもしれません。ここで待っていてください。取りに行ってきます。」
早乙女燐は頷き、車を路肩に停めた。
蘇我紬が再び病院から出てきた時、夏川澄花と新條結月に無事を伝え終わったところで、顔を上げると数人に行く手を阻まれた。「蘇我さん、私どもの奥様がお呼びです。」