「うちの孫嫁を見に行きたいわ。ちゃんとした結婚式もしてあげられなかったし、時央もあんな状態だし、彼女には申し訳ないわ。それに、私も半年以上も時央に会っていないから、会いに行きたいの」
「行きたいなら、明日専用機を手配して送り届けましょう」
「ありがとう」藤原親父はうなずいた。
藤原奥様が去った後、藤原親父は庭に出た。
執事がすぐに彼の後ろにやってきた。
「安藤さん、雌鶏を一羽捕まえて処理して包んでおいてくれ。それから地鶏の卵も全部詰めて、去年私が植えた落花生も一袋持っていくんだ。庭の野菜も、持っていけるものは全部持っていくように。これは全部私が自分で育てたものだから、孫嫁に味わってもらいたい」
「かしこまりました、藤原様」
……
時田浅子は療養院に戻った。
ドアを開けるとすぐに、彼女は呆然とした。
病室の装飾が、また変わっていた。
昨日まで部屋中にあった祝いの飾りが、今日は一つも見当たらず、すべて白色に変わっていた。
夜遅くに、照明と相まって、目が痛くなるほどだった。
彼女は藤原時央に近づき、彼の顔色が昨日よりもずっと悪く見えると感じた。
おそらくシーツの色のせいだろう。
「浅子」白川先生の声が彼女の後ろから聞こえた。「こう呼んでもいいかな?」
「もちろんです」時田浅子はすぐに頭を振った。
むしろ若奥様と呼ばれる方が落ち着かない。
「白川先生、これは何の機械ですか?」時田浅子はベッドの横に新しい機械があることに気づいた。
しかし、よく見ると、それは機械というよりもカメラのように見えた。
白川健斗はまさにこのカメラについて説明するためにやってきたのだった。
「今日、藤原若旦那の脳波に反応があることに気づいたので、カメラで記録しておきたいと思って。邪魔にならないかな?」
「全然大丈夫です」時田浅子はすぐに答えた。
「白川先生、今おっしゃった藤原若旦那の脳波に反応があるというのは、どういう意味ですか?彼は目覚めそうなんですか?」
白川健斗はベッドの上の人を見た。
藤原若旦那は今、まだ眠っていないはずだ。
彼らの会話を、藤原若旦那はハッキリと聞いているはずだ。
「その可能性はあります」白川健斗はあいまいに答えた。
「本当ですか?!」時田浅子の声は興奮を含んでいた!