「うちの孫嫁を見に行きたいわ。ちゃんとした結婚式もしてあげられなかったし、時央もあんな状態だし、彼女には申し訳ないわ。それに、私も半年以上も時央に会っていないから、会いに行きたいの」
「行きたいなら、明日専用機を手配して送り届けましょう」
「ありがとう」藤原親父はうなずいた。
藤原奥様が去った後、藤原親父は庭に出た。
執事がすぐに彼の後ろにやってきた。
「安藤さん、雌鶏を一羽捕まえて処理して包んでおいてくれ。それから地鶏の卵も全部詰めて、去年私が植えた落花生も一袋持っていくんだ。庭の野菜も、持っていけるものは全部持っていくように。これは全部私が自分で育てたものだから、孫嫁に味わってもらいたい」
「かしこまりました、藤原様」
……
時田浅子は療養院に戻った。
ドアを開けるとすぐに、彼女は呆然とした。