第29章:お風呂の後、彼に手を出すつもりなのか

白川健斗は彼女が続けて話すのを辛抱強く待っていた。

「あの、明日排卵期の検査をしたいんです。」時田浅子は歯を食いしばって言った。

白川健斗は笑いをこらえながら、「いいですよ、明日手配しておきます。」と答えた。

「ありがとうございます。」時田浅子の顔は茹でたエビのように赤くなった。

「では、お二人はお早めにお休みください。お邪魔しました。」白川健斗は挨拶をして、すぐに部屋を出て行った。

部屋の中には二人だけが残された。

時田浅子は椅子を引いて藤原時央の隣に座った。

藤原時央は今、頭痛が和らいできたと感じていた。おそらく薬の効果だろう。

とにかく、彼が目覚めてから今まで、この瞬間が一番楽に感じられた。

白川健斗は頭がおかしいのではないか。

この女が今何を言ったか聞こえなかったのか?