第54章：クズ男を罵る

「時田様は現在、当院の特別診療高級VIP病室の患者様です。医療の提供と同時に、相応のサービスも提供しております。ご予約がない場合や時田様のご了承がない限り、お見舞いはできません」

「高級VIP病室の患者？何か間違いじゃないのか？彼女は数日前まで入院費も払えなかったはずだ！確認してくれ、同姓同名の人がいるんじゃないのか」

「お客様、当院には時田秋染という入院患者は一人だけです。そして、確かに数日前は入院費を払えない状況でした」

林聡明の心に大きな疑問が浮かんだ。

時田秋染はどこからお金を手に入れたのか？

彼の知る限り、雲都のこの病院の特別診療高級VIP病室は一日少なくとも千元以上の費用がかかる。

これはまだ薬や治療費を含まない、単なる入院費だけだ。

もしかして、時田秋染は誰かに利用されて、彼を陥れようとしているのか？

考えれば考えるほど、それしか可能性がない！

そうでなければ、母子家庭の彼女たちがどこからそんな大金を浪費できるというのか！

一人の看護師がこちらの会話を聞いて、近づいてきた。

「菊さん、こっちに来て！」受付が声をかけた。

「こちらは時田様の病室専属の看護師です。彼女に予約の手伝いをしてもらうか、時田様に通知してもらって、面会できるかどうか確認してもらえますよ」受付は林聡明に言った。

菊は林聡明を見て、「お客様、時田様にお会いになりたいのですか？」

「はい」林聡明はうなずいた。

「お名前は何とおっしゃいますか？」

「林です」林聡明は我慢強く答えた。

「お名前をお聞きしています。フルネームでお答えください」菊の仕事ぶりは几帳面だった。

「患者を見舞うだけなのに、身分証明書まで見せる必要があるのか？」林聡明は怒った。

彼の顔を知らない人は多いかもしれないが、彼の名前は雲都ではおそらく知らない人はいないだろう。

こんなことで自分の面目を失いたくなかった！

「お客様、本当にお見舞いにいらしたのであれば、ご協力をお願いします。私たちは戸籍調査をしているわけではなく、ただあなたの身元を確認したいだけです」

「ご存知ないかもしれませんが、数日前に派手な身なりの女性が時田様を訪ねてきました。どうやら愛人らしく、彼女は意図的に時田様を刺激し、時田様は飛び降りようとしたほどでした！」

林聡明は少し呆然とした。