各テーブルには、大きな赤いバラの花束が置かれていた。
これは一緒に食事に来た女の子に贈るためのものだった。
レストランのサービスは、とても行き届いていて心遣いが感じられた。
藤原親父は突然ため息をついた。
藤原時央にほんの少しでも気配りができれば、浅子の向かいに座っているのは彼のはずなのに、この老いぼれではなく!
ああ、考えれば考えるほど腹が立つ!
食事を終えると、時田浅子は支払いをしようとした。
親父はすぐに止めた。
「君が招待してくれたなら、お爺さんが払うよ」
「いいえ!この食事は絶対に私がご馳走します」時田浅子の態度はとても断固としていた。
親父はまだメニューをしっかりと握り、威厳に満ちた表情で時田浅子を見つめていた。
「お爺さん、私にチャンスをください!」彼女は少し甘えた。