時田浅子は藤原時央を部屋に押して連れ戻した。
藤原時央は嫌そうな顔で花束を胸から押し出した。
大きな花束が床に落ちた。
時田浅子は花を拾い上げ、怒りに満ちた目で藤原時央を見つめた。
藤原時央が怒っている時に彼と視線を合わせられる人はほとんどいない。
時田浅子はその数少ない一人だった。
「藤原若旦那、私はあなたの言った通りにしました」時田浅子は毅然として口を開いた。
「この安っぽい花束だけを買ったのか?」藤原時央は皮肉を込めて問い返した。
「この花は買ったものではなく、食事の時にもらったものです。私が買ったのは…」
「時田浅子、おそらく知らないだろうが、私の一言で病院はお前の母親の治療を中止することができる」藤原時央は時田浅子の言葉を遮った。
彼女と時間を無駄にしたくなかった!