室内の空気はまるで凝固したようだった。
藤原時央は時田浅子を見つめていた。
時田浅子も彼を見つめ返していた。
二人はそのままにらみ合っていた。
突然、外からノックの音が聞こえた。
「浅子、寝たかい?」老人の声が聞こえてきた。
「まだ寝てないわ」時田浅子は答えた。
「今日買ったものが全部届いたんだが、出てきて見てくれないか。ここには置ききれないから、安藤さんに一部を臨海別荘に運ばせようと思ってる」
「今行くわ、おじいちゃん!」時田浅子は藤原時央の方へ向かった。
彼の意見を聞くこともなく、車椅子を引っ張り、くるりと回して玄関の方向へ進んだ!
彼女の動きは大きく、特にさっきの回転で、藤原時央はめまいを感じた。
彼はすぐに手すりをしっかりと握り、体を安定させた。
老人はソファに座り、リビングにはすでに今日の戦利品が山積みになっていた。