午後四時過ぎ、時田浅子と藤原親父は一緒に出かけた。
道中、大木嵐から電話があり、時田秋染を迎えに行って直接レストランに向かうので、時田浅子と藤原親父は病院に行く必要はないと言われた。
レストランは個人シェフの店に予約されていた。
そのシェフの家系は元々宮廷料理人で、数世代にわたって続いており、帝都の名家の間では非常に有名だった。
時田浅子はこのような個人シェフの店に来るのは初めてだった。
まるで誰かの家に直接訪れたような感じだった。
中国風の建物で、独立した一軒家で、小さな中庭もあった。
藤原親父が中に入ると、白髪の老人が近づいてきた。
彼はシェフの服を着て、シェフの帽子をかぶっていた。
「おや!伊藤さんが今日は自ら料理を作ってくれるようですね!」藤原親父は前に進み、伊藤さんの手を握った。