「疲れてなんかいないよ。全然疲れていないし、まだお母さんと正式に会ったことがないから、行かないのは失礼だよ」老人は時田浅子の肩を叩いた。「先に休んでいなさい。後で呼びに来るから」
老人は部屋を出て行った。
時田浅子はこの見知らぬ部屋を見回した。なぜか、藤原時央が6年以上もここに住んでいないのに、この部屋にはまだ彼の気配が漂っているように感じた。
彼のオーラは、それほど強いのだ。
藤原時央の部屋の装飾スタイルはずっとこんな感じだったのだろうか?
彼の心はなんて冷たいのだろう?
彼女は部屋の中へ歩いていくと、ベッドの横には仕切られた小部屋があり、中は広々とした書斎だった。
机の後ろにはガラスの棚があった。
中にはいくつかのトロフィーや賞状が飾られていた。
彼女は棚の一つの区画に、分厚いアルバムを見つけた。