第117章:彼はただ単刀直入なだけ

時田浅子は携帯を手に取り、さらに数枚後ろにめくった。

最後に、藤原時央の写真があった。彼はテーブルに座り、背後には夕日の夕焼けがあった。逆光で撮影されていたため、彼の顔ははっきりと見えなかったが、その体のシルエットは一目で見分けることができた。

彼の前のテーブルには、あの少女が手に持っていたひまわりの花が置かれていた。

明らかに、写真はあの少女が撮ったものだった。

時田浅子はそれ以上見ることなく、携帯を置いた。

藤原親父は時田浅子を一瞥し、少し心を痛めた。

「藤原時央、お前は一体何を考えているんだ」と藤原親父は重々しく尋ねた。

「時田浅子との婚姻関係を終わらせたいと思っています」

「やっぱりそうか、お前はまだ離婚したいのか!」藤原親父は胸が詰まる思いがした。

突然、数回咳き込み、呼吸が苦しそうになった。

藤原時央は気にしなかった。親父の体は丈夫だし、彼に見せるためにわざと演技しているだけだと思った。

「お爺さん、大丈夫ですか?」時田浅子は心配になり、すぐに立ち上がって藤原親父の胸をさすった。

「浅子……爺さんは……ゴホゴホ!」藤原親父はまた咳き込み、急いで目の前のタオルで口を覆った。

白いタオルはたちまち真っ赤に染まった!

「お爺さん!」

「お父さん!」

部屋の中の人々は、一瞬にして混乱に陥った!

時田浅子は藤原時央を見つめ、非難の表情を浮かべた。

これが彼の分別なのか!彼はいつも直球勝負なのか?

藤原時央は彼女の視線に気づき、胸が詰まる思いがした。

15分後。

救急車が到着した。

藤原時央は藤原親父が救急車に運ばれるのを見て、胸が締め付けられた!

彼は体が不自由で、病院に付き添うことができず、藤原親父が運ばれていくのを見ているしかなかった。

時田浅子は救急車の中で付き添っていた。

安藤さんは急いで車を出し、大木嵐と一緒に病院へ向かった。

大木嵐は安藤さんを待つ間、藤原時央に近づいた。

「あなたは知っているはずよ、なぜお爺さんがあんなに時田浅子を気に入っているのか。もし当時、時田浅子のお爺さんが命を懸けて救ってくれなかったら、あなたのお爺さんはこの世にいなかったでしょう」