見ると、また白沢陸からだ。
今回は、ボイスメッセージだった。
藤原時央は再生した。
「くそっ!藤原時央、お前はまだ俺を戻してくれていないじゃないか!」
藤原時央はすぐに携帯を脇に投げ、イライラした表情を浮かべた。
本当にWeChatでもブロックしたいくらいだ!
連絡を取りたい人は一日中音沙汰なし、連絡を取りたくない人は、あちこちで存在感をアピールしてくる!
あの女、今日は6時にならないと迎えに行けない。
今から6時までまだ1時間以上ある!
藤原時央はネクタイを引っ張り、エアコンの温度をさらに1、2度下げたが、心の中の焦りはまだ収まらなかった。
彼は仕事を中断し、携帯に保存されている音声ファイルを開き、イヤホンをつけて中の声を聴いた。
「藤原家の後継者、藤原時央が空港に姿を現した。3年間行方不明だった彼が強力に復帰し、株式市場は津波のように揺れ動いている…」
この女、時事ニュースのトピックを録音させたら、彼のことまで話題にしてきたなんて!
時田浅子がこれらの時事ニュースを録音する時、正式なアナウンサー調で話していた。
藤原時央は以前、この方が聞きやすいと思っていた。
この瞬間、彼は突然彼女の魅惑的な声や幼い声、初々しい少女の声が恋しくなった。そっと彼に「おやすみなさい」と言う声が。
藤原時央はすぐにそのファイルを閉じ、次のファイルを探した。
十数個の冒頭を連続して聴いたが、すべて時事ニュースだった。
どうやら、このバッチの音声はすべてこのタイプのようだ。
以前彼女から送られてきたものは、聴き終わるとすぐに削除していた!
藤原時央が握っている携帯の手の甲の血管が浮き出ていた。
彼は本当に時田浅子に中毒になっているのだろうか?
藤原時央は力なく椅子の背もたれに寄りかかった。
感情の波のせいで、彼の額には汗がびっしりと浮かんでいた。
自分がある種の病的な心理問題を抱えている可能性を知った時から、彼は必死にそれを修正しようとし、ずっと心理カウンセラーの治療を受けていた。
彼はこの病的な反応から逃れようと必死で、治療もかなり効果があった。
しかし、時田浅子に出会ってからは、それまでの治療がすべて水の泡になったように感じた!
むしろ、病状はさらに悪化していた!
彼は携帯を取り出し、斉藤若春に電話をかけた。「君が必要だ。」