第171章:こんなにカッコいいお姉さん、惚れた!

「監視カメラがちょうど少し問題があって、今日の食堂の状況が撮影できていなかったの」時田浅子は静かに答えた。

「どうしてそんなことに?」水田潔子の声はいくらか高くなった。「この件はあまりにも都合がよすぎるわ!私が思うに、山田奈々はわざとあなたを陥れようとしているのよ。彼女は藤田彰に近づきたいだけなのに、藤田彰は彼女を空気のように扱い、代わりにキャンパスであなたに公然と愛を示したでしょ!これは嫉妬よ!」

「浅子、どうするつもり?ネットいじめの力はとても恐ろしいわよ」

「大丈夫だから、心配しないで。私はそんなに弱くないから」時田浅子は逆に水田潔子を慰めた。

「もし何か私たちに手伝えることがあったら、遠慮なく言ってね」

「わかった」

電話を切ると、時田浅子は校門に向かって歩き続けた。

「あれ、時田浅子じゃない?まだ堂々とキャンパスに現れるなんて!」

「自分がチャンスを逃して、『天籟の饗宴』に参加せず、山田奈々を妬んで、彼女の顔を傷つけたんだって!」

ほんの少しの間に、人々が集まってきた。

中には、スマホを持って時田浅子を撮影している人もいた。

山田奈々と時田浅子の話題はトレンド入りし、この話題に便乗したい人がどれだけいるかわからなかった。

誰かが金持ちの息子である藤田彰が時田浅子を追いかけている横断幕の写真をネットにアップロードした。

時田浅子がどの学部のどのクラスで、どの寮に住んでいるかまで、すべて詳細に暴露されていた。

この情報化時代では、まるで誰もがすべてをさらけ出しているようだった。

正義の旗を掲げている人々こそが、実際には本当の殺し屋なのだ。

この短い時間で、多くの人がスマホを取り出し、時田浅子に向けていた。

「時田さん、ちょっとインタビューさせてください。ネットで言われているように、山田奈々を妬んで彼女を突き飛ばしたんですか?」

この質問をした人は、ライブ配信中だった。

時田浅子が彼のライブ配信に現れた瞬間から、視聴者数は数百人から数千人へと一気に増加した。

しかも、その数はまだ増え続けていた。

【配信者は本当に和芸の学生なんだ!すごい!】

【これが時田浅子?申し訳ないけど、本当に美人だね!なんか、ドラマの中でどうしても憎めないキャラクターみたいな感じがするんだけど】