第178章：こんな風に、どうして感情が育たないわけがない！

老人は電話に出ず、ドアを開けて外に出た。

藤原時央の部屋の前に来たが、直接入らなかった。結局、浅子も部屋の中にいるのだから。

彼はドアをノックした

「時央？」

部屋からは何の反応もなかった！

老人は急いでドアを開け、藤原時央が惨めに床に倒れているのを発見した！

「時央！どうしたんだ？」老人は急いで前に進んだ。

「大丈夫だ、大げさに騒がないでくれ！ただ転んだだけだ。」藤原時央は老人の手を握り、自分で立ち上がろうとした。

何度か試みたが、立ち上がることができなかった。

老人は彼を助けようとしたが、やはり年齢のせいで力が足りなかった。

「浅子はどこだ？」老人は部屋の中を見回したが、時田浅子の姿は見えなかった。

藤原時央は答えず、まだ立ち上がろうとしていた。

「動かないで！足がまだ回復していないのに、何を無理しているんだ！」老人は藤原時央の手を離し、外に向かって歩いた。

「浅子！浅子！」

老人の呼びかけを聞いて、時田浅子はすぐに書斎から走り出てきた。

「おじいさま、どうしましたか？」

「早く、時央が転んだんだ、おじいさんは彼を支えられない、手伝ってくれ。」老人は切迫した様子で言った。

時田浅子はすぐに彼について部屋に入った。

そこで藤原時央が惨めに床に倒れているのを見つけた。

「藤原若旦那、今どんな感じですか？少しでも力が入りますか？」時田浅子は静かに尋ねた。

「入らない。」藤原時央は首を振った。

「では焦らずに、まず少し休んでください。」時田浅子は手を伸ばして彼の足に触れた。

彼の足の筋肉はとても柔らかい状態で、前回のように痙攣していなかった。

おそらく、彼が今転んだばかりで、まだ自分を無理させていなかったからだろう。

「まず少しマッサージして、筋肉をリラックスさせましょうか？」時田浅子は藤原時央の意見を求めた。

彼が嫌がるなら、彼に触れるつもりはなかった。

「うん。」藤原時央は静かに応じた。

時田浅子は彼の足を握り、優しくマッサージした。

老人は傍らに立ち、この光景を見て、とても温かい気持ちになった。

二人がこのように過ごすのは良いことではないか？

独身の男女が、火のような情熱を持ち、同じ部屋で、同じベッドで寝れば、感情が育まれないはずがない！

突然、老人の視線がある場所に固定された。