第195章:焦らす小悪魔

山田奈々と一緒に来た人たちも、撮影されてしまった。

必死にカメラから逃げる人もいれば、すでに録画されてしまった人もいて、どうしようもなかった。

ネットの力はあまりにも強大で、もしこれらの動画がネットに流出したら、山田奈々がやったことだけで、彼らも巻き込まれてしまうだろう!

「山田奈々、まさかあなたがこんな人だったなんて!あなたみたいな友達を作った私は本当に目が見えていなかったわ!」

「私は山田奈々とそもそも親しくないわ、ただ盛り上がりに便乗しただけよ!」

山田奈々はこの二人の声を聞いて、怒りで胸が痛くなった。

これらの人々は最速で散っていった。

山田奈々も立ち去りたかったが、まだ会計を済ませておらず、支払いを終えてからようやくバーを出た。

数万元の請求書を見て、彼女はさらに心が痛んだ!

……

時田浅子はネット上の状況を確認した。

あの内容証明と動画が公開されるや否や、コメント欄は彼女を支持する人々で占領された!

【ついに真相が明らかになった!この数日間、本当に悔しい思いをしていたよ!彼女を罵っていた人たち、時田浅子に謝罪するべきじゃない?】

【謝罪で済むなら警察はいらないよ。時田浅子はすでに弁護士を雇ったんだから、最後まで責任追及すべき!ネットいじめに参加した人たち、一人も見逃さないで!】

【時田浅子ちゃん、抱きしめたい。この二日間、どれだけ辛い思いをしたことか!】

【早くこの件の影から抜け出して、もっと多くの素晴らしい作品を出してほしい!私は最後まで応援するよ!】

時田浅子は携帯を置いて、伸びをした。

彼女が動画を公開してからわずか2時間も経たないうちに、ネット上の風向きは完全に変わっていた。

彼女が耐えてきたことを、今度は山田奈々が倍になって味わっている!

しかも、山田奈々が直面する結果は、これだけではない。

藤原時央は部屋に戻って怒りを爆発させたが、それでもこの件の進展を確認せずにはいられなかった。

時田浅子が公開した動画を見たとき、彼の気持ちはさらに複雑になった。

彼女がこれほど冷静でいられたのは、まるで何の影響も受けていないかのようだったが、それは彼女が証拠を握っていたからだ。

ただ適切なタイミングで反撃するのを待っていただけだった。

彼の心配や助けはかえって余計なものになってしまった!