彼のような条件なら、どんなミシュランシェフでも手招きひとつで来るんじゃないの?
彼の反応に、彼女は自信を持ち始めた。
もしかして、彼女の作ったものは、本当にそんなに美味しいのだろうか?
彼女の牛乳はまだ半分しか飲んでいなかったが、藤原時央はすでに4つの小さなケーキを全部食べ終え、そして牛乳のカップを手に取り、その一杯の牛乳も飲み干した。
時田浅子は皿を下げて外に運んだ。
家政婦の木村さんは空になった皿と牛乳のカップを見て、驚いた顔をした。
「若奥様、藤原若旦那は牛乳を全部飲み干されたんですか?」
「ええ、ケーキも全部食べました」時田浅子はうなずいた。
「まさか?藤原若旦那はイチゴやマンゴー、ブルーベリーなどは決して食べないはずですが」木村さんはさらに信じられないという様子だった。
「もしかして、彼は食べ物を選り好みしているのではなく、調理法を選んでいるのかもしれませんね?」時田浅子は推測した。
「若奥様、おっしゃる通りかもしれません!でも、もしかしたら、藤原若旦那は単に若奥様の作ったものが好きなのかもしれませんよ」
時田浅子はすぐに首を振った。「そんなことないわ、私の作ったものは特別なところなんて何もないから」
「若奥様がご主人様に何か美味しいものを作る時、藤原若旦那にも一人前残しておいていただけませんか?」
「いいですよ」時田浅子はうなずいた。これは何も面倒なことではない、藤原時央はそんなに多くは食べないのだから。
木村さんは、藤原若旦那に4つの小さなケーキと一杯の牛乳を食べさせることができたなら、この方法を試してみたいと思った。
もしかしたら、藤原若旦那は本当に若奥様の作った料理が好きなのかもしれない?
「もう遅いですから、若奥様はお休みになってください」
……
翌日、時田浅子が学校に着くとすぐに。
三人のルームメイトが彼女を見つけた。
「浅子!この二日間ネット上で起きたことで、本当に心配したわ!でも、真相が明らかになって良かった!」水田潔子は時田浅子の腕を抱き、顔中に心配の色を浮かべていた。
「浅子、今回は本当に山田奈々にひどい目に遭わされたわね」黄島花乃も続けて口を開いた。
「幸い、私たちには証拠のビデオがあったから、そうでなければ、本当に黄河に飛び込んでも洗い流せなかったわ」