彼のような条件なら、どんなミシュランシェフでも手招きひとつで来るんじゃないの?
彼の反応に、彼女は自信を持ち始めた。
もしかして、彼女の作ったものは、本当にそんなに美味しいのだろうか?
彼女の牛乳はまだ半分しか飲んでいなかったが、藤原時央はすでに4つの小さなケーキを全部食べ終え、そして牛乳のカップを手に取り、その一杯の牛乳も飲み干した。
時田浅子は皿を下げて外に運んだ。
家政婦の木村さんは空になった皿と牛乳のカップを見て、驚いた顔をした。
「若奥様、藤原若旦那は牛乳を全部飲み干されたんですか?」
「ええ、ケーキも全部食べました」時田浅子はうなずいた。
「まさか?藤原若旦那はイチゴやマンゴー、ブルーベリーなどは決して食べないはずですが」木村さんはさらに信じられないという様子だった。