第232章:当事者は迷い、傍観者は明晰

時田浅子は顔を上げると、来た人が江川湊だと気づいた。

彼女は水を受け取り、江川湊に謝った。「今日は本当に申し訳ありませんでした。何か悪い影響はありませんでしたか?」

「心配しないで。事が起きてから今まで約2時間経ったけど、ネット上は何事もなかったように静かだよ。もう何も出てこないはずだ。君の顔色があまり良くないけど、やっぱり医者に診てもらった方がいいんじゃない?」

「見た目ほど深刻じゃないんです。大丈夫ですよ」

「じゃあ、先に食事を済ませて。僕は録音室で待ってるよ」

「はい」時田浅子はうなずいた。

江川湊は身を翻して去った。

時田浅子は水のボトルを開け、一口飲んだ。

それから食事を数口食べたが、突然胃が苦しくなり、もう食べられなくなった。

彼女は片付けをして、録音室へ向かった。