時田浅子は急いで車椅子を起こし、藤原時央の足を安定させた。
「藤原若旦那、どうしてそんなに不注意なの?怪我はない?」
「こんな遅くに、寝ないで、何か重要なことがあるの?明朝言えないの?」藤原時央は問い返した。
「私のためにドアを開けようとして、転んだの?」
「そうだ!」
「でも、ドアは鍵がかかってなかったわ。あなたが入れって言ったから、入っただけよ」
「鍵をかけてなかったことを忘れていた」
時田浅子は彼の惨めな姿を見て、申し訳なさそうな表情を浮かべた。「ごめんなさい、藤原若旦那。起き上がるのを手伝いましょうか?」
藤原時央は自分で立ち上がろうとしたが、体を支えて試してみても、うまくいかなかった。
時田浅子は藤原時央を支え、彼に少し力を貸そうとしたが、彼はそのまま床に座り込んでしまった。