白沢陸はそんなことお構いなしに、時田浅子にお酒を注いだ。「一杯だけよ、このお酒は頭に来ないから、一緒に乾杯しよう、幸せ万歳!」
時田浅子は仕方なくグラスを持ち、みんなでグラスを合わせた。
彼女が少し飲もうかどうか迷っていたとき、藤原時央の声が彼女の耳元で響いた。
「飲みたいなら少しだけ飲めば」
「酔っちゃうのが怖いの」
「俺がいるから、酔っても心配ない」
「私が心配なんじゃなくて、私が…」酔って暴走することが心配なのよ!
藤原時央もあの夜のことを思い出した。彼女が酔った後の光景を。
彼の目の奥に何かの感情が一瞬よぎった。
彼は彼女の手からグラスを取り、一気に飲み干した。
「ダメだよ!そんなの許さない!代わりに飲むなんてあり得ない、たった一杯だけなのに!浅子は一杯で酔うことはないよ!」白沢陸は時田浅子のグラスを奪い取り、また彼女にお酒を注いだ。