第299章:大灰狼の尻尾が見えた

一定の距離を。

なぜなら、彼はこの時を急いでいなかったから。

時田浅子は急いで藤原時央の腕から離れ、ソファに戻った。

白沢陸は二本の酒を持って藤原時央の前に歩み寄った。

今日、彼は相当刺激を受けていて、どうしても勝負をつけたかった!

時田浅子は二人を見ていた。一杯また一杯と、途中でほとんど休むことなく!

なんと、藤原時央にもこんな未熟な一面があったなんて、白沢陸と酒の勝負をするなんて!

ついに、白沢陸は持ちこたえられなくなり、テーブルの縁につかまりながら床に倒れた。

時田浅子は急いで立ち上がり白沢陸に近づいた。白沢陸はすでに意識がなかった。彼女は藤原時央の方をちらりと見た。

藤原時央は車椅子に座ったまま、白沢陸のように取り乱してはいなかったが、状況はあまり良くなかった。