第305章:藤原さまが告白した

彼女は、ただ一着の服だけだと思っていたので、心の中でまだ、リビングに一着だけ置いておけばいいのに、どうしてクローゼットにまで置いてあるのだろう?と考えていた。

藤原時央がどうして彼の住まいに彼女のためにこんなにたくさんの衣類を用意しているのだろう?

もしかして、彼が離婚に同意したのは嘘だったのか?

背後から突然足音が聞こえ、時田浅子はすぐに振り向いた。

藤原時央はバスローブを着て彼女の後ろに立っていた。

「まだどれを着るか決められないの?」藤原時央は前に進み、ガラスの扉を開けて、時田浅子の服選びを手伝った。

うーん、

「これを着たら?レコーディングスタジオに行くんだから、快適さを優先して。終わったら病院にも行って、母さんに会いに行かなきゃ」

藤原時央の口調に、時田浅子は一瞬恍惚とした。