藤原時央の住まいに戻ると、江川楓は荷物を置いてすぐに立ち去った。
時田浅子は藤原時央を見て、「あなたはまず休んでいて、私が買ってきたものを片付けて、麺ができたら呼ぶわ」と言った。
「ああ」藤原時央はうなずいて応えた。
時田浅子はキッチンに入り、整理を始めた。
藤原時央のキッチンはとても広かったが、本当に何もなく、冷蔵庫を開けても中には水が少し入っているだけだった。
彼女は食材を分類して収納し、コンロを試してみた。幸い、すべて正常に使えた。
藤原時央は部屋に入って服を着替え、出てきたときに時田浅子がキッチンで忙しく動く姿を見た。
彼は前に出て彼女の邪魔をするのではなく、壁にもたれかかって静かに彼女を見つめていた。
この感覚は言いようのない温かさがあった。
天気が少し暑かったので、時田浅子は冷麺を作ることにし、タレを準備して、お湯を沸かし始めた。