しかし幸いなことに、撮影場所は帝都にあるので、学業にはあまり支障がない。
撮影がない時は、彼女は普通に学校に通うことができる。
時田浅子は大川先生のメッセージに返信し、さらに少し話をしてから、スマホを置いた。
もう11時近くになっているが、藤原時央はまだ書斎から出てこない、きっとまだ忙しいのだろう。
彼女はゆっくりと立ち上がりゲストルームへ向かったが、ドアの前まで来ると気が変わり、主寝室へ向かった。
藤原時央はパソコンの画面に映る映像を見つめ、時田浅子がゲストルームから主寝室へ向かうのを見ると、彼の目に笑みが浮かんだ。
ビデオ会議は30分前に終わっていたが、彼は書斎を離れなかった。
まるで彼がいるだけで時田浅子がリラックスできないかのように、彼はパソコンの前に座り、室内の監視カメラを通して時田浅子を見ていた。