第328章:斉藤若春また悪さをする

「彼があなたを追いかけているってことよ!」黄島花乃が思わず口にした。

時田浅子は少し笑って、手を振った。「本当にあなたが思っているようなことじゃないわ」

「時田浅子、聞くけど、藤原時央は一秒でどれくらい稼げるの?」

「わからないわ」

「彼のような資産家なら、一秒で入ってくるお金は、私たちには手の届かない富よ」

「それはそうね」時田浅子はうなずいた。

「彼のスケジュールはきっとびっしり詰まっていて、忙しくて足の踏み場もないはず!それなのに、あなたを学校に送るために時間を無駄にできるなんて、これはあなたへの寵愛を表していないかしら?」

「あなた、社長系小説を読みすぎじゃない?私たちをあなたが読んだ主人公たちに当てはめないで」時田浅子は肉まんを食べ終え、頭を下げてスープを飲んだ。

「私が読んだ何百冊もの社長系小説を保証に、彼は絶対にあなたのことが好きよ!」

「ぷっ!」時田浅子はかぼちゃスープを吹き出した。彼女は肉まんを取り、黄島花乃の口に詰め込んだ。「早く食べなさいよ、私たちは本当にあなたが想像しているような関係じゃないわ」

「私だけがそう思っているわけじゃないわよ。ほら、あなたと藤原時央の話題は、すでに1000万回以上いいねされているわ!」黄島花乃はスマホを取り出して時田浅子に見せた。

時田浅子はちらりと見て、すぐに彼女のスマホを奪い取った。

「芸能界には報道するようなニュースがもうないの?どうして藤原時央が私を学校に送っただけで、トレンド入りするの?」

「みんながあなたたちの話題を好きだという証拠よ。とにかく、あなたたちのカップリングは私の推しカプ確定よ」

時田浅子:……

彼女はスマホを黄島花乃に返し、お皿を持って立ち去った。

黄島花乃は時田浅子が急いで去っていく姿を見て、彼女がどうしたのかわからなかった。

時田浅子は人のいない場所に来て、スマホを開き、今朝投稿された記事を注意深く見た。

藤原時央が彼女を学校に送っただけで、本当にこんなに話題になるのだろうか?

トレンドに載ってからどれくらい経ったのかわからない。

そして彼女と藤原時央の話題の下に押し込められているのは、風間監督の新ドラマ『宮廷の陰謀』の宣伝だった。

主演の桜井天音も同時にメッセージを投稿していた。

同じように下に押し込められていた。