第342章:義母は藤原さまを支持する

時田浅子は借りた部屋をきれいに片付け、掃除して埃一つない状態にした。

ソファに座って清潔で整った小さな部屋を見ながら、心に静けさを感じた。彼女の生活は、ようやく正常な軌道に戻ったようだった。

お風呂に入って服を着替え、病院へ母を見舞いに行った。

時田秋染は今ではもうベッドから降りて活動できるようになっており、医師たちも手術後の回復が特に良いと言っていた。

今、時田秋染の世話を専門に行っている介護士は、藤原親父が手配したものだった。時田浅子は母を見舞った後、藤原家の本邸へ行くつもりだった。

彼女と藤原時央がすでに離婚証明書を取得したことについても、お爺さんに説明する必要があった。

しかし、彼女には今一つの難題があった。

それは、彼女と藤原時央がすでに離婚証明書を取得したという事実を、どのように母親に伝えるかということだった。

時田浅子が病室に着くと、時田秋染は介護士の介助を受けながら歩いていた。

「お母さん」時田浅子が声をかけた。

時田秋染はすぐに振り向いた。

「お母さん、ゆっくり!」時田浅子は急いで前に進み、時田秋染を支えた。

時田秋染の視線は時田浅子を越えて、入り口の方を見たが、藤原時央の姿は見えなかった。

「今日は時央があなたと一緒に来なかったの?」

時田浅子は心の中でため息をついた。母はなぜいつも藤原時央のことを気にかけているのだろう?

「お母さん、まずベッドに戻って横になって。今日は話があって来たの。」

時田秋染は、時田浅子の表情がとても真剣なことに気づき、一歩一歩ベッドの方へ移動して横になった。

介護士は布団を整えてから、時田秋染と時田浅子に向かって言った。「では、私は一旦外に出ます。」

時田浅子は介護士に礼儀正しくうなずいた。

「浅子、何を話したいの?」時田秋染は急いで尋ねた。

「お母さん、来る途中で医師に聞いたんだけど、今の状態はとても回復が良くて、あと一週間ほどで退院できるかもしれないって。」

「本当?」時田秋染は喜びを隠せなかった。「一週間後には絶対大丈夫よ。私は今でも退院できると思うわ。」

「今はまだ無理よ!」時田浅子は母の手を握り、優しく呼びかけた。「お母さん…」

時田秋染は時田浅子が言いよどんでいることに気づき、眉間にしわを寄せた。「浅子、あなたは時央と喧嘩でもしたの?」