第347章:藤原さまの贈り物

時田浅子は心の中で慌て、一歩後ずさりして椅子にぶつかり、座り込んでしまった。

藤原時央は椅子の肘掛けに手を置き、ゆっくりと身を屈めて時田浅子に近づいた。

時田浅子の呼吸が止まりかけ、狭い空間に閉じ込められた彼女は、強い圧迫感を感じた。

藤原時央はお茶の杯を取り上げ、時田浅子の唇の前に差し出した。

「時田浅子、このお茶を飲み終えれば、私の任務も完了だ」

時田浅子は急いで茶杯を受け取り、ごくごくと飲み干した。

「藤原若旦那、飲み終わりました」

藤原時央は空になった茶杯を見て、唇の端をわずかに上げた。

「時田浅子、わざわざ遠くからお茶を届けに来たんだが、少しは感謝の気持ちを示してくれないか?」

時田浅子はすぐに危険な気配を感じ取った。

「藤原若旦那はどのように表現すればよいでしょうか?」