第356章:藤原さまが上手すぎる

「見飽きたか?」藤原時央の声が時田浅子の頭上に響いた。

時田浅子はハッとして、すぐに視線を引き戻した。

藤原時央はネクタイを引き抜き、さらにボタンを一つ緩めた。

時田浅子はこの瞬間、スマホの録画を見るのではなく、彼の動きを直接見つめていた。

「藤原時央、何をするつもり?」

「少し蒸し暑いから、息抜きだ」藤原時央は笑いながら答えた。

時田浅子の視線は落ち着かず、心臓は思わず速く鼓動し始めていた。

彼女の腕もだんだん力が入らなくなり、撮影している画面もどんどん下がっていった。

「浅子、君は一体どこを撮りたいんだ?ん?」藤原時央が彼女に尋ねた。その声は魅惑的で、少し意地悪さも含んでいた。

時田浅子はすぐに腕の痛みを我慢して、再びスマホを持ち上げ、藤原時央の顔に向けて撮影した。