第406章:見せつけろ、思いっきり見せつけろ

藤原時央と老人が水に入り、時田浅子は手すりのそばに立って、心の中で少し興奮していた。

さっきまで水は澄んでいて、水の中を泳ぐ魚が見えていた。

人が入ると、魚たちは慌てて泳ぎ回り、池全体の水が濁り始めた。

「どうやって捕まえるの?」時田浅子はこの時、自分が水に入らなくて良かったと安堵した。

「濁った水で魚を捕る。」老人は笑いながら答えた。

藤原時央も明らかに戸惑っていて、網を持ちながらどう使えばいいのか分からない様子だった。

老人は藤原時央を見て、「時央、見ていろ!」と言うと、すぐに手にした網を持ち上げ、水中に叩き込んだ。

網がかぶさった場所では、魚が激しく暴れ、水しぶきが飛び散り、老人の顔中が水で濡れた。

「老人、一網で沢山の魚を捕りましたね!」安藤さんは驚いて叫んだ。