第416章:大損害を被る

「大月結弦?本当に彼なの?」藤原時央の眉がわずかに寄った。

「確かよ、大月結弦という名前だわ。彼の身分はよく分からないけど、今私につきまとって離れないの。それに...それに不純な意図を持っているわ。私と一緒に来た人たちは皆、彼を恐れているみたい。もう本当に困ってるの、あなたの助けを求めるしかないわ」斉藤若春はまた泣き始めた。

「住所を送ってくれ」

「わかったわ」斉藤若春は電話を切ると、目に成功の笑みが浮かんだ。

藤原時央は車に乗り込み、携帯を取り出して時田浅子にメッセージを送ってから、車を発進させた。

斉藤若春はトイレから出る勇気がなかった。

彼女は大月結弦を挑発したことで、その結果がどうなるか自分でもわかっていた。

藤原時央はもう彼女に会おうとしない。もし彼と会う機会を作り出し、二人の間に接点を生み出さなければ、彼女は完全に負けてしまうだろう!

だから、彼女はこの大月結弦という二世祖を挑発したのだ。

彼女と藤原時央には少なくとも5年の付き合いがある。藤原時央が彼女を危機から救わないはずがない!

外には彼女が連れてきた人たちがまだいて、大月結弦は彼女が逃げられないことを知っているので、そう急いで彼女を探しに来ることもないだろう。

彼女には藤原時央が「救出」に来るまで、十分に時間があった。

大月結弦の身分は公にできない秘密だった。

権力者の息子、それも私生児で、幼い頃から甘やかされ放題で、どれだけの問題を起こしたか分からない。

権力者の唯一の息子であるため、どんな大きな災難も誰かが背負ってくれる。

藤原時央は当然大月結弦を知っていたが、別の世界の人間で、これまで何の接点もなかった。

彼はまた、斉藤若春が大月結弦の手に落ちれば、良い結果にはならないことも知っていた。

斉藤若春は携帯を見つめ、すでに30分が経過していたが、藤原時央はまだ到着していなかった。

彼女の心は焦り始めていた。

「何見てんだ!みんな出ていけ!」と怒鳴る声が響いた。

斉藤若春の心臓が急に締め付けられた。

あの大月結弦がもうこんなに早く彼女を探しに来たのか?

「斉藤さん、トイレにこんなに長く行ってどうしたの?俺様が心配でたまらなかったよ!」

大月結弦の声が聞こえてきた。

斉藤若春は急に緊張した。