第441章:身を慎むことを理解しているのか、男性の道徳を理解しているのか

藤原時央は急に不安を感じ、時田浅子の手を引いて、「おじいさんに会いに行こう」と言った。

「うん」時田浅子はうなずいた。

安藤さんも私心があり、止めなかった。

若奥様も一緒に行けば、藤原若旦那はこの折檻を逃れられるかもしれない。

時田浅子と藤原時央が部屋に入ると、大木嵐が時田浅子を呼び止めた。

「浅子」

「おばさま!」時田浅子は興奮して声をあげた。「今日もいらしたんですね?」

「ええ、こっちにおいで。裏庭のブドウが熟しているか見に行きましょう」大木嵐は時田浅子の方へ歩み寄った。

安藤さん:(やばい、やばい!藤原若旦那の折檻は避けられないぞ!)

「おばさま、少し待ってください。まずおじいさまにご挨拶を」

「おじいさまと時央は話があるから、私たちは先に裏庭へ行きましょう」大木嵐は時田浅子の手を引き、老人に会わせないようにした。

時田浅子は雰囲気が少し変だと感じた。

「行きましょう」大木嵐はもう一度急かした。

「はい」時田浅子はうなずいた。

出て行く時、時田浅子は安藤さんが苦い顔で彼女に向かって首を振っているのに気づいた。何かを暗示しているようだった。

しかし、大木嵐が彼女の手を引いていたので、彼女は裏庭へと向かうしかなかった。

安藤さんは焦って、ふと思いついて籠を取りに行った。

「若奥様、籠を持っていきませんか!熟したブドウがあれば摘んで帰れますよ」

大木嵐は時田浅子の手を離し、籠を取りに行かせた。

時田浅子は安藤さんの方へ歩いた。

「若奥様、老爷子は藤原若旦那を打ち殺すつもりかもしれません」安藤さんは二人だけが聞こえる声で言った。

「浅子、行くわよ」大木嵐は振り返り、安藤さんを睨みつけた。

安藤さんはすぐに口を閉じた。

時田浅子は少し呆然としていた。

藤原時央が殴られる?

なぜ?また何かでおじいさまを怒らせたの?とても深刻そうだ。

だから、おばさまはわざと彼女を遠ざけているのか?

彼女は藤原時央のことなど気にしない。おじいさまに彼をベッドから起き上がれないほど殴ってもらえたら最高だ!数ヶ月は彼女を悩ませられなくなる!

藤原時央が書斎に入ると、老人が険しい顔で座っているのが見えた。