第466章:誰のせいで時田浅子の後ろに資本がないのか

「あなたは番組制作の妨害をしています。すでに契約違反です」藤井監督は容赦なく指摘した。

「藤井監督に聞きたいのですが、あなたがそこまで時田浅子をかばって、カメラを彼女の顔にくっつけて撮りたがるのは、何か個人的な感情があるのではないですか?そうでなければ、なぜそこまで新人を推すのでしょうか?」金恵は笑いながら尋ねた。

藤井監督の顔色が青ざめた。

「藤井監督、この件は私が話し合いましょう」長谷監督は急いで藤井監督を脇に連れて行った。

彼は振り返って佐木晴樹と金恵の前に戻った。

「あなたたちの言いたいことはわかりました。時田浅子のシーンが多すぎるということですね?」

「その通りです」佐木晴樹はうなずいた。

「適切に編集して、できるだけ各出場者の露出が公平になるようにします」

「それが私たちの言いたいことです。結局、番組側もイメージを考慮すべきです。後で批判の的にならないように」金恵はさらに付け加えた。

「ご安心ください、番組側は十分に配慮します」長谷監督は少しイライラしていたが、お大尽様と対立したくはなかった。

佐木晴樹の言っていることは一理あった。

金恵は資本家たちに深く愛されている。今回のビジネス交渉の際、彼は強く感じた。金恵も番組に参加すると聞いた途端、広告主はほとんど考慮せずに直接契約にサインした。

番組が人気になれば、広告主は直接利益を得る。これは双方にとって有益な状況であり、金恵はその両者を結ぶ架け橋だった。

総合的に考えると、彼はもちろん時田浅子のために金恵と対立するつもりはなかった。

これが現実だ。

時田浅子の背後には資本がないのだから仕方ない。

佐木晴樹と金恵との交渉の後、長谷監督は藤井監督の前に来た。

藤井監督が口を開こうとした瞬間、長谷監督は彼の肩をたたいた。

「わかっています。時田浅子のパフォーマンスは確かに第一回の目玉になりうるものです。しかし、金恵が出てきたとき、会場全体の反応も良かったじゃないですか?」

「私たちの番組は、第一回は会場観客の投票ですが、その後の各回ではネット投票も加わります。どの面から見ても、時田浅子は金恵に及びません」

「二人の実力はあなたも見たでしょう。一方は本物の実力者、もう一方は見せかけだけの飾り物。どうして時田浅子が金恵に及ばないと言えるのですか?」藤井監督は反論した。