時田浅子は資料を読み終えると、撮影を終えた時田浅子がステージから降りてきた。
「さっき大丈夫だった?」森山緑が心配そうに尋ねた。
「大丈夫、もう少しで転ぶところだったけど」時田浅子も少し怖くなった。もし転んでいたら、きっと怪我をしていただろう。
「これからはなるべくあの金恵から離れていた方がいいわ。あの子は善人じゃないと思う。初日からあなたを狙っているみたいだし」
「うん」時田浅子はうなずいた。
「先に収録に行って。後で彼女のバックグラウンドを調べておくわ」
「わかった」
宣伝写真の撮影が終わると、スタッフは全員をステージに集めた。
司会者とオープニングダンサーたちはすでに位置についていた。
ステージの後ろには一連のドアが設置され、番組に参加する全ての出場者がそれぞれのドアの後ろに立っていた。
司会者が番号を読み上げると、対応する番号のドアの後ろの出場者が自由に声のパフォーマンスを披露することになっていた。
会場の観客がそのドアを開けるかどうかを選択する。
会場には1000人の観客がおり、半数以上の人が緑のボタンを押さないとドアは開かない。
番組の脱落ステージは最初の関門から始まっていた。
つまり、最初の関門で姿を現すことができず、すぐに番組を去ることになる人もいるということだ。
時田浅子は森山緑と相談した後、台詞のパフォーマンスを準備した。
彼女は22番目で、後ろには3人しかいなかった。
突然、ライトが点滅し始め、ステージに2組のダンサーが飛び出し、音楽に合わせて踊り始めた。
司会者が昇降台からゆっくりと現れた。
「皆さん、こんにちは!村上厳です!番組スタッフの懸命な準備の結果、『天籟の饗宴』第2回の番組がついに皆さんとお会いすることができました!」
「私の後ろをご覧ください!」
「この25のドアの後ろには、第2回の出場者たちがいます。彼女たちがこのステージに登場できるかどうかは、皆さん次第です!」
「この関門には、進出枠の制限はありません。皆さんが選んだ人全員がステージに残ることができます!」
会場から大きな拍手が沸き起こった。
一人の案内嬢がステージに上がり、手に箱を持っていた。
「この箱の中には、25人の出場者の番号が入っています。これから私がその場で番号を引き、選ばれた出場者がパフォーマンスを行います」