第480章:彼女は臆病者

「人は変わりやすいものよ。それに、誰も他人の心を掌握することはできないわ。他人の心を掌握できないなら、自分の心を管理した方がいい。緑ねえさん、私はそんな噂話なんて気にしないわ。人生とは是非の宴ではないの?私が気にしているのは、ある人に依存し始めた時、その人がいつでも私の世界から消えてしまうかもしれないということ。血のつながりさえ頼りにならないのに、ましてやホルモンの爆発で生まれた感情なんて言うまでもないわ。」

「浅子、まだ若いのに、そんな悟りを開いているなんて思わなかったわ。」森山緑の心に共感が湧いた。彼女は時田浅子が何かを経験したからこそ、このような心境になったのだと信じていた。

「あなたは失うことを恐れすぎて、勇気を出して愛することができないのね。」森山緑はさらに言った。