第492章:藤原さまの厄介な恋愛問題

「それならば、どうぞご自由に」長谷監督は全く心配していない様子で言うと、立ち上がって去っていった。

時田浅子と森山緑もレストランを出た。

森山緑は車を発進させながら、時田浅子に尋ねた。「浅子、どこに行く?まずあなたを送ってから、資料の準備に取りかかるわ」

「サンライト団地に行くわ」

「わかった」

出発してすぐに、森山緑の携帯が鳴り始めた。彼女はすぐにBluetoothイヤホンをつけて電話に出た。

この電話は桃からだった。

「緑ねえさん、大変です!ネット上で浅子が番組を降りるという話が広まっています。明らかに世論を誘導している人がいます!」

「わかったわ」

時田浅子は森山緑の表情が非常に深刻なことに気づき、契約解除の件に関係しているのではないかと思った。

森山緑は信号を通過すると、突然路肩に寄せた。駐車位置を確保すると、時田浅子に言った。「ネット上で私たちの契約解除の件が既に暴露されているわ。ちょっと状況を確認するために止まるわ」