「藤原社長は約束を守る人ね」時田浅子は小声でつぶやき、小さな手を彼の腰に回した。
「もう一度、甘い言葉を言ってくれたら、紳士になることを考えてもいい」藤原時央は彼女の手を掴み、からかった。
「眠いよ〜」
「一言だけ」
時田浅子は無理やり目を開けて彼を見つめ、必死に考えた。「遊園地で座って回るものって何か知ってる?」
遊園地?
それは藤原時央が一度も行ったことのない場所だった。
「知らないな」彼は首を振った。
時田浅子は顔を上げ、彼の頬に顔を寄せた。「回転チュッ〜だよ」
柔らかい唇が彼の頬に触れ、彼女の甘い香りが彼の心に直接届いた。
藤原時央の唇の端は思わず上がり、美しい弧を描いた。
時田浅子は彼の腕の中に倒れ込み、重たい瞼を閉じた。
藤原時央がその甘さから我に返る前に、彼女の規則正しい寝息が聞こえてきた。
……
翌朝早く、時田浅子は目を覚ました。
彼女は顔を上げて藤原時央を見た。彼はまだ眠っていた。
彼女は静かに彼の腕から抜け出し、ベッドから降りようとしたとき、藤原時央が体を翻して彼女を引き戻し、自分の上から抱きかかえて位置を入れ替え、そのまま眠り続けた。
「起きてるの?」時田浅子は彼に尋ねた。
「一晩中眠れなかった」藤原時央は怠そうに答え、顔を彼女の髪に埋めた。
「どうして一晩中眠れなかったの?」
「アイツが眠らないから、僕もどうしようもない」
時田浅子:……
「何時に出かける?」
「10時」
「じゃあもう少し眠れるね」
「昨夜はよく眠れた?」
「うん」
藤原時央が突然体を起こし、時田浅子が反応する前に、彼女の上に覆いかぶさった。
彼は手を伸ばして枕の下に置いてあった小さな包みを取り出し、時田浅子の手に押し込んだ。
時田浅子:……
「アイツを満足させれば、もう少し眠れる」
「できた?こんなに手慣れてるの?」藤原時央は驚いた顔をした。
「これって何かコツがあるの?」時田浅子は逆に尋ねた。
「初めてなのに、本当に知らないんだな」
時田浅子:……
1時間後、彼女はぐったりとそこに横たわっていた。
藤原時央はむしろますます元気になっていた。
彼女はこういう時、せいぜい30分くらいだろうと思っていたが、予想外にも彼は休むことなく求め続けた。
「ほら、もう9時近いよ。眠る時間なんてないじゃない」