「藤原社長は約束を守る人ね」時田浅子は小声でつぶやき、小さな手を彼の腰に回した。
「もう一度、甘い言葉を言ってくれたら、紳士になることを考えてもいい」藤原時央は彼女の手を掴み、からかった。
「眠いよ〜」
「一言だけ」
時田浅子は無理やり目を開けて彼を見つめ、必死に考えた。「遊園地で座って回るものって何か知ってる?」
遊園地?
それは藤原時央が一度も行ったことのない場所だった。
「知らないな」彼は首を振った。
時田浅子は顔を上げ、彼の頬に顔を寄せた。「回転チュッ〜だよ」
柔らかい唇が彼の頬に触れ、彼女の甘い香りが彼の心に直接届いた。
藤原時央の唇の端は思わず上がり、美しい弧を描いた。
時田浅子は彼の腕の中に倒れ込み、重たい瞼を閉じた。
藤原時央がその甘さから我に返る前に、彼女の規則正しい寝息が聞こえてきた。