第511章:藤原さまも不安になる

「もし、今彼女に選ばせたら、彼女は私のそばに残るか、それとも宮本凪の腕の中に飛び込むか?」藤原時央の声がまた響いた。

江川楓:……

「藤原若旦那、あなたはこの世に『もし』はないとおっしゃったではありませんか?すべての仮定的な問題は存在しないと!」

つまり、藤原若旦那は不安になっているのか?!

藤原時央は返事をしなかった。

江川楓はどうすればいいかわからず、とりあえず車を駐車スペースに停めた。

外では雨がザーザーと降り続け、窓ガラスに打ち付けて視界を曇らせていた。

……

時田浅子が宮本凪と部屋に入ったとたん、宮本凪の携帯が鳴り始めた。

彼は一目見て、携帯の電源を切った。

「先にシャワーを浴びてきて、私は何か食べ物を注文するよ。まだ何も食べてないんだ」宮本凪は時田浅子に言った。彼は時田浅子もまだ食事をしていないだろうと思った。