「ああ、わかったわ。お母さんはもう少しベッドから起き上がって動かないといけないから、一旦切るわね。明日は自分の携帯から連絡するから」時田秋染はただ、浅子と時央が一緒にいるかどうか確認したかっただけだった。
彼女が今一番心配しているのは、この二人の関係だった。
二人が一緒にいると聞くだけで、彼女は安心できた。
時田浅子はビデオ通話に向かって手を振った。
「浅子、もう遅い時間だから、お前も二階に上がって休みなさい」老人は時田浅子に言った。
時田浅子はうなずいた。「はい、では先に上がります」
時田浅子が去った後、老人は自分の部屋に戻らず、リビングに座って藤原時央を待っていた。
もう10時を過ぎていたので、時央もそろそろ帰ってくるはずだった。
しかし、10時40分になってようやく、藤原時央の車がゆっくりと敷地内に入ってきた。